まずはインタビュイー、稲浪 翼さんの紹介です。
- 公認会計士試験合格者
- 現在、公認会計士登録手続き中(8月に正式登録予定)
- 税理士法人で3年ほど勤務しながら公認会計士の勉強
- 勉強時間は約1万時間(1日10時間程度)
- 自宅兼事務所での開業準備中


試験に合格したら「公認会計士」を名乗れるものだとばっかり思っていまして、宣伝の際には大変ご迷惑をおかけしました!



いえいえ、とんでもございません。紛らわしいんですよね、この業界^^;
※インタビューの前段で、宣伝をしていたのですが、8月の登録を待たないと「公認会計士」を名乗れないのを知らず、「公認会計士」として宣伝してしまったのでした。この辺も詳しく記事の中に書かれています。どうぞご覧ください。
対談の概要については以下の通りです。
- 公認会計士の仕事内容:企業の決算書が正しいかチェックして「お墨付き」を与える監査業務がメイン。上場企業が主な顧客で、会計コンサルティングや上場支援、M&A支援なども行う
- 公認会計士になるまでの道のり:短答式試験→論文式試験→監査法人で3年間の実務経験→修了考査合格→登録手続き(約半年)という長いプロセスが必要
- 試験の難易度と勉強方法:合格率10%未満の難関試験。一般的には4,000時間、稲浪さんは約1万時間(1日10時間)勉強。予備校通学がほぼ必須で、費用は年間50〜100万円程度
- キャリアと収入:初任給で年収550〜600万円、その後毎年40〜50万円ずつ昇給。900万円程度で頭打ちになることが多く、1,000万円超えは独立が近道
- 独立開業と将来展望:公認会計士は税理士登録も可能で業務の幅が広い。稲浪さんは地方(実家)で親しみやすい事務所の開業を準備中。監査以外にもコンサルティングや税務など多様な収入源を想定
公認会計士という仕事について


監査業務とは何か
——本日は公認会計士試験に合格されて、今登録手続き中の稲浪翼さんをお迎えしてですね、公認会計士のお仕事について詳しくお聞かせいただければなと思います。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
——まずですね、公認会計士っていうお仕事って、どういう仕事なのかっていう部分をちょっとお聞かせいただければなと思うんですけど。
一番大きな仕事で言うと、監査という名前の仕事になります。これは何をやってるかというと、会社の決算書ってありますよね。売り上げとか利益とか、成績表みたいなものですけれど。その作った決算書が合ってますかとチェックして、お墨付きを与える仕事というのが平たく監査という仕事になります。公認会計士っていうのはそこがメインで、あとは会計のコンサルティングであったり、上場の支援をしたりとか、合併の支援をしたりとか、そういったことをしているという感じになります。
——なるほどですね。ということは基本的には、上場前の企業と上場後の企業、両方に関わっていくような形になるってことでいいですかね。
そうですね。両方関わってくるというところですね。メインはやっぱり上場後にはなると思うんですけれど、両方やってますというところだと思います。
——粉飾決算とかを見抜いたりとか、そういった不備がないよっていうお墨付きを与えて、例えば株関係だったら、株主に対して決算に不備ないっていうような部分を伝えたりとかっていうことですかね。
そうですね。おっしゃる通りです。株主さんが、いわゆる上場企業の株を買うときに決算書を参考にすると思うんですけど、そこが合ってないと困るというか、なかなか判断ができないので、お墨付きを与えるという仕事になります。
——なるほどですね。ということは、会社が決算を出しました、内部監査だけでは信用がおけない部分もあるから、公認会計士の方にお墨付きを与えてもらうっていうような形ってことですね。
そうですね。会社が自分で成績表を作るってことですから、本当にそれが合っているのか、独立した立場の人がお墨付きを与えるっていうことになります。



公認会計士さんがいるから、我々は安心して株式投資ができるんだね!
公認会計士を目指した理由
——公認会計士を目指されたきっかけっていうのを、ちょっとお聞かせいただければなと思うんですけど。
幼少期に、親が自営業の経理の仕事をしてたので、経理の決算書って簡単な簿記というか、青色申告みたいなことをやってるっていうのを近くで見てたんですよね。なんとなくそういうのが親しみがあると言いましょうか。
あるいは私自身が数字とか数学に興味があって、何かしら数字方面でとは思っていたところで、スペシャリストとして自分の力で生きていきたいなって考えたときに、会計士っていうのが一番活躍の幅が広いし、自分の数字が好きっていうところにも合うなって。あるいは経理っていうところにも近しいなっていうところで選んだっていうところになります。
——なるほど。もともと簿記1級を取得されてるっていうことで、やはり簿記1級との繋がりというか流れっていうのもあるってことですね。
そうですね。これ取る人取らない人いると思うんですけれど、公認会計士の試験範囲の中に簿記1級が入っているっていうイメージなんですね。取った方がリスクヘッジと言いましょうか。何もないよりも簿記1級っていうのがあった方がいいかなと思って取ったっていうところです。
——結局その試験範囲の中の一部として簿記検定に関わるような内容も、公認会計士の試験の中には入っているってことなんですね。
はい。そうですね。会計学っていうところで入っています。
——簿記1級の知識は公認会計士は持ってなきゃならないっていうようなイメージですね。
そうですね。ほぼ持っていると思います。むしろ会計士とか税理士を目指している人が一歩手前の段階として簿記1級を受験されたりっていうのがよく聞きますね。
——そうなんですね。やっぱりその上の資格。簿記1級持ってるだけでも結構難しいですよね。
なかなか簿記1級も難しいですからね。
——簿記1級取ってたら働くにも事務関係とかそういうのは難なく就職できちゃうイメージですよね?
そうですね。よく聞きますね。
——それのさらに上を行くのが税理士で、さらに上が公認会計士というイメージでしょうか。
そうですね。ほぼ同じぐらいだと思うんですけど、税理士も会計士も。簿記1級よりは範囲が広いですから、なかなか難しいなというところです。
——結局その合格率だけを見たら、やっぱり税理士よりも公認会計士の方が難しいパーセンテージだったなっていうのは見てたんですけど。
試験のスタイルが税理士と会計士で違ってて、いわゆる会計士の方が一発合格っていうんでしょうか、受かってるか落ちてるかっていう感じなんです。税理士は1つの科目を受かった、次を受かった、3つ目を受かったという形で順番に取っていく形なので、その辺も少し合格率に影響はしているのかなとは思うんですけど。
——なるほど。もう全科目ではなくて、税理士の場合は積み上げていけるってことですね。
そうですね。5年10年かけてっていう方もいらっしゃるようです。
——今ちょうど税理士のお話も出てきたので、士業と呼ばれる中で、税理士って税金関係。例えば、納税のときのサポート役をしていただけるのが税理士っていうイメージ。会計士と税理士の棲み分けというか、業務の違いってどういうところになるのか。
お客さんということで言うのであれば、公認会計士のメインのお客さんはやはり上場企業というところになると思うんです。他もあるんですけれど、メインどころはそこかなと。大きめの会社と思っていただければと思います。
税理士さんっていうのはどっちかというと、大きいところもやると思うんですけれど、中小企業もそうですし、個人事業主さんもそうですし。まずお客さんのところの棲み分けがありますよね。立場的なところで言うと、作る方のサポートに関わってくるのが税理士さんで、会計士さんは作った後にチェックする側というイメージ。
——出来上がったものをチェックするのか、作り上げていくのかの違いなんですね。なるほど、わかりました。ありがとうございます。



税理士さんは企業の決算などを一緒に作る側、会計士さんはそのチェックをする側という棲み分けなんだね!
公認会計士になるまでの道のりとその後


3つの試験と実務経験
——今資格を登録中でっていう話もありましたけど、公認会計士のなり方っていうのがちょっとイメージつかないんです。どうやったらなれるのかっていうと、もちろん公認会計士の資格を取らなきゃならないっていうのはわかるんですけど、結局登録までに時間があって、公認会計士を名乗るのにも、試験合格したら名乗れるってわけじゃないんだってところにも、カルチャーショックというか、違うの?っていう部分もあった。そこらへんも少し話していただいていいですかね。
はい、わかりました。そうですね、試験がまず3つあります。「短答式試験」と「論文式試験」があって、最後に「修了考査」、つまり卒業試験みたいなものがあります。1つ目の「短答式試験」と2つ目の「論文式試験」を合格した人が、公認会計士の集まりである監査法人というところで働きます。下働きみたいなところです。
——インターンみたいな?
そうですね、インターンですね。ここで一応会計士試験合格者みたいな形で名乗ることができます。この時点で外から言われるのは会計士先生って言われることも多いですね。自分からはちょっと言うと語弊があるんですけれど、外から見るとほぼ同じという感じになります。
3年間働いたところで卒業試験があり、そこも合格すると公認会計士として名乗ることができます、という形になります。
——なるほど、結局その実務経験を積まないと公認会計士を名乗ることができない。で、実務をやって卒業試験を受けて合格して登録にならないと公認会計士になれない。
はい、そういうことです。
——ということは稲浪さんも今実務3年終えて卒業の試験を合格したっていう状態だってことでいいんですね。
そうですね。去年の12月に卒業試験があって、その合格発表が先日ありましたというところが今ですね。



てっきり私としては、試験に合格したから「公認会計士」と名乗れると思ったら、登録されないと名乗れないんですね!



ややこしくてすみません^^;
——なるほど、そしてその登録するまでにやっぱり半年ぐらいかかっちゃうんですね。
そうですね、なんだかんだ言って、書類を集めるのと、あとは向こうの審査手続きで数ヶ月は絶対かかりますねと、マックス半年近くかかる人もいるとは思います。
——なるほど、それで登録されて実際に事務所を開くとなって晴れて公認会計士になるって感じなんですね。
そうですね、公認会計士を名乗って、そのまま監査法人に勤め続ける人もいれば、独立して会計事務所を持つ人もいるねという形です。
——なるほど、結構早い方ですか、稲浪さんは。独立はすぐやる人は多い?
そうですね、ちょっと早いかなとは思います。最短でこのタイミングだと思いますので、早いかなというのはありますね。私もちょっと合格するまで時間かかってるので、焦ってるところもあります。
——なるほど、ブログもちょっと読ませていただいて、都会よりも少し田舎の方が独立に向いているみたいなことも書かれてましたよね。
そうですね、実家だったので、それを生かそうかなというところです。
試験の難易度と勉強時間


——公認会計士の成り方は分かったんですが、難易度ですね。先ほど税理士試験とちょっと違うというふうに、一発合格、不合格が出ちゃうというところなんですけど、体感的にどのぐらいの難易度なのか、聞きたいなというところなんですけど。
難しいですよね。一般的には4000時間とか勉強すると受かるよって言われてるんですけど、私頭があまり良くなくて、多分1万時間近くやってたような気がしますね。
——1万時間ですか!
合格率も10%切ってるぐらいだと思いますね、トータルで言うと。効率よく受かる人は1回で受かっているのかなとは思います。ただ勉強は必要ですというところです。
——公認会計士の試験科目はどんな感じになるんですか?
短答式試験が4科目、論文式試験が5科目ですね。短答式は財務会計論、管理会計論、監査論、企業法の4科目です。論文式は会計学(財務会計論と管理会計論を合わせたもの)、監査論、企業法、租税法、そして選択科目1科目の5科目になります。
——選択科目もあるんですね。
そうですね。選択科目は経営学、経済学、民法、統計学の中から1つ選びます。多くの人は経営学を選びますね。
——試験的にはあれですか、1日で全科目受けるみたいな、そんなイメージですか?
短答式試験は1日で4科目を受けます。論文式試験は3日間にわたって行われますね。結構ハードなスケジュールです。
——なるほど、そうかそうか。短答式試験に合格したら論文式試験に進めるってことですね。
そうですね、まず短答式試験に合格して、その後論文式試験を受けるという2段階になっています。短答式に合格すると、2年間は短答式試験が免除されるので、その間は論文式試験に集中できます。
——ブログの中で予備校に通われてたっていうことだったんですけど、やっぱり通わないとなかなか厳しいですか?
これは難しいと思いますね。やはり毎年のように基準が変わるっていうところ、法律もそうですし、あとはよくある試験に出るとこ出ないとこの濃淡ですね、濃淡の付け方っていうのはやはり予備校は上手ですので、短時間で受かりたいのであればやはり予備校がおすすめですというところ。
——なるほどですね。ちなみに稲浪さん何年くらい通われたんですか、予備校。
3、4年行ってたと思います、多分、トータルで。
——その間抜けたりとか?
そうですね、簿記1級が受からずにダラダラしてたりとか、最後の方はきっちりだったけど、最初の方は受かんないなーっていう感じでした。
——そうかそうか、トータルで4年くらいやっぱりそれぐらいはかかるもんだと思っといた方がいいってことですね。
そうですね、私みたいな一般人というか、普通の人でしたら3、4年くらいって思っていただいた方が多分いいかなと思います。
——お金のかかり具合ってどうなんですか、予備校の学費というか。
1回で受かる前提だと多分50万とか60万とか、100万は行かないはずです。
——これから会計士になる方の参考になればと思うんですけど、何かお勧めの予備校だったり?
私は割とCPAさんはお勧めですね。勢いもありますし、比較的授業がわかりやすいかなっていう気はしてます。これ相性あると思うんですよ。本当に相性あると思うので、体験授業を受けていただいて、一番合うところで選ばれるのがいいかなとは思います。私はCPAさんが結局お勧めです
独立・開業までの道のりとその後の見通し


——独立・開業の準備されてるっていうことなんですけど、独立までの流れというか、公認会計士を目指してやって、たぶん公認会計士になられる方はいずれ独立を考えてる方も多いと思いますが、どんな準備をしていっているのかお聞かせ下さい。
一番大きなところで言うと、どこで事務所をやりますかっていうところにつけるかなと思います。自分で物件持ってるんであればそこでいいと思うんですけど、レンタルで借りるのか、私みたいに自宅兼事務所にするのかというようなところで選ぶのかなとは思います。
あとはホームページ作ったりとか、名刺作ったりとか、電話会社と契約してみたりとか、そういう細かいところですね。人と会うと言いましょうか、少しずつでも会っていかないと見込み客という意味でも厳しいところになってきますので、開業予定ですみたいなところで、人と会うというところを今やっている段階です。
——そこら辺の人脈の開拓とかも結構大変ですよね。
初対面ということが多くなってきますので。
——事務所を開いたところのメインになる収入源というのは会社の会計監査になっていくという感じですか?
これ結構難しくて、なかなか規模が小さいところって監査がしにくいというか、お客さんに来てくださいって言いにくいというところがあって、それ以外になってくるのかなと。意外とコンサルタントというか、監査からは外れてしまうんですけれど、会計の知識を活かして、あるいは上場会社の決算書を見ていたというのを活かしてコンサルをしてみたりとか、私みたいに税理士も登録して税務もやるっていうのが多いんじゃないかなと思います。
——結局のところ、公認会計士を持っていれば税理士の仕事もできるってことなんですね。
登録が必要なんです。税理士の試験はいらないんですけど、申請して税理士と名乗れるようになってからじゃないとできないという、棲み分けですかね。
——ということはやっぱり税理士の上の資格だっていう。
上と言ってしまうと、いろいろ難しいところなんですけど、ただ会計士は税理士もくっついてきますよという感じですね。
——なるほど、わかりました。であれば、大企業の監査をやりたいっていうことであれば、ちょっとデカめの規模の監査法人に所属したまま仕事をするっていうような感じになってくるんですね。
そうですね、半分ぐらいの方はそこに所属して、定年まで監査法人にいるっていうのが一般的と言いましょうか。
——そうではなくて、やっぱり独立したいって、独立起業したいって思ったのは、やっぱりご実家の動きもあってっていうような感じですね。
それもありますし、自分の城を持ってみたいっていうのが一番大きいかなと思います。
——わかります、それ。
自分の力で勝負してみたいなと思います。



独立・起業をするのって大きな決断だけど、一度しかない人生、やっぱり自分のやりたいことをやるのって大事ですよね!
公認会計士の待遇とキャリア


年収の実態
——公認会計士、一般でいいので、大体年収っていくらぐらいになるんですか?
これもうピンキリなんですけど、初任給から申し上げた方がいいですかね。1年目で550万から600万の間だと思うんですよ、ちょっと残業して。
——でも初任給でそれぐらい、要するに短答式と論文の試験受かって、実務3年の初任給ってことですね。
そうなんです、そのタイミングです。
——それで600万ぐらいになれちゃうんですか?
そうですね、私のとき600万ちょっと切るぐらいだったと思います。
——てことは大体、月収したら40万ぐらい。
そうですね、40弱プラスボーナスみたいな感じですね。初任給は割と高いかな、福利厚生があんまりない代わりに高めになっていると思います。
——あとはもう実力次第っていうような感じですか?
そうですね、実力次第で昇給が早くなるか、昇給幅が大きくなるかっていうところで。どうですかね、毎年40万ぐらい50万ぐらい上がっていくイメージですかね。会計士になるとピョッと上がるって感じ、まさに今のタイミングですね、会計士登録が完了すればもうちょっと上がっていってっていう流れです。ただ、900万ぐらいまでで一旦横ばいだと思います。管理職になって残業がつかないと、というところですね、これ以上は。
——ということはやっぱり1,000万オーバーは独立開業しないと難しい部分もあるかなっていう。
そうですね、昇格しないと、多分10年とかいないと厳しいんじゃないかな。すごい残業すれば多分いくと思うんです。毎月何十時間というのをずっと12ヶ月続ければ1,000万超えると思うんですけど、今なかなか残業がつかないので多分1,000万は独立した方が早いかなと思います。



やはり難関資格を取得しているというのは伊達じゃないですね、夢のある職業だと思います!
ワークライフバランスの現実
——なんか士業ってハードワークなイメージが結構私の中であるんですけど、どうですかね、お仕事の忙しさって。
忙しい、そうですね忙しい。忙しいと思います。なんて言うんでしょう、トータルで忙しいっていうのが割と今のところ感じているところで。もちろんいわゆる繁忙期っていうのはあって、今の5月のタイミングはすごい残業はするんですけれど、他の月でっていうとそこまで残業は少ないですね。全然ゼロに近いチームもあると思います。
ただっていうところなんですよね、いわゆる会計士になるための卒業試験を受けるための勉強を並行してやらないといけないって言うんでしょうか。働きながら勉強が必要ですし、会計士になった後も勉強が必要ということで、いわゆる勉強と仕事の間みたいなのが結構多い感じですね。結構残業なのか自己研鑽なのかよくわかんないのが続きますね。
——もちろん合格したらそれでOKってわけじゃないし、どんどんいろんな新しい知識とかも増やしていかなきゃいけないっていう大変さはありますよね。



そうですね、一生勉強ですね!
公認会計士の将来


今後の展望と事務所運営
——あと、公認会計士としての今後の展望ですね。なんかこういう風な形でやっていきたいなとか、そういう夢というかありますか。
事務所を開いてからのお話にはなりますが、こじんまりとして親しみやすい事務所にはしていきたいなというのはあります。相談しやすいと言いましょうか。いわゆる100人も社員がいてみたいな感じではないと思うんですけれど、なんとなくお互いに雰囲気のいい事務所にしていければなというところだけはあります。
——ほかの例えば税理士さんだったり、他の公認会計士さんと一緒に人を増やしていくような展望とかありますか。
そうですね、結構一人でやった方がいいのか、二人以上でやった方がいいのかって悩ましくて、最初は一人でやろうかなと今のところ思ってるんですけど、もしかしたら10年後にはお仕事たくさんあって人手が足んないよってことだったら増やすことも考えます。
——あーそうですよね、確かに。なんかこうあれですね、今すごいワクワクしてる時期ですよねきっとね。
そうですね、やっと登録できるかっていう感じですね。長かったです。ホッとしている部分もありますね。
活躍の幅広さ
——公認会計士って士業の中でも結構人が少ないというかイメージとして、あんまり身近じゃないというか。
そうですね、表には出てこないですよね、なかなか。担当してる会社はわりとみんな知ってる。上場会社が多い。知ってると思うんですけど、具体的に何やってるのっていうのはみんな知らないっていう。
——よくあの企業の監査役っていうので、取締役の一覧とかに名前出てるじゃないですか。あれとはまた別ですか。
近いんですけれど、あそこに載ってるのは会社の中の人の監査っていうイメージなんですね。内部監査。で、我々は外部の人の監査なので外部監査と言いましょうか。第三者の目線でという立ち位置の。やってることは比較的近いですね。
——例えばそれになることは可能なんですか。
そうですね、よく募集してますね。監査役やりませんかって。
——それってだいたいおいくらぐらいもらえるんですか。
企業によるんでしょうかね。本当に役員待遇だと思うんですよね。たぶんご想像される、いわゆる社長さんとちょっと少ないぐらいはいただけるんじゃないかなっていう。
——別に常勤ってわけじゃないですよね。
これも選べると思います。常勤と非常勤と言いましょうか。どっちでも選べると思います。
——そういう路線もありですね。
活躍の幅が広いっていうのがメリットですね。
——公認会計士を持ってたら先ほど税務の関係もできるし、監査役もできるし、あとコンサルもできるってなっていくと、本当に幅広くいろんな業務、よく中小企業診断士とかもあったりしますけど、そこともかぶってきたりとかしますかね。
かぶってきますし、会計士さんが中小企業診断士を取るという人もいらっしゃると思います。コンサルの力をつける人たちとしてっていうようなイメージですね。
——具体的にコンサルとかだと、例えば利益の経費の部分で無駄があるから、もっとこうした方がいいとか、そういうようなことってことですよね。
そうですね。それも含むと思います。会計的なコンサルっていうと、その辺も含むと思います。経営コンサルっていうと。
——なるほど。面白いな。いろいろと活躍が期待できます。本当に身近じゃないけど、なんて言ったらいいんでしょうね。なくてはならない職業だな。
そうですね。ないと困ると思います。あまり表には出てこないですけど。
——難しいからな、でもな。
試験に合格するまでの犠牲が結構大きいですね。働きながら合格するのはなかなか大変ですね。本当に1個目2個目の試験に関しては。本当に3年して1、2年は絶対必要ですね。あるいは3、4年になると思います。
公認会計士を目指す人へ


必要な勉強時間と学習方法
——公認会計士を目指すっていう人がいたとしたら、どんなアドバイスというか声かけをしますか?
合格するかしないかでやっぱり大きいと思います。合格すると人生変わります。受かってしまえば、初任給もいいですし、活躍の幅も広いという自分の力で生きていけますから、まず是非頑張って合格しましょうということに尽きるかと思います。
——そうですね。もう、受からなきゃ話にならないですね。
まず受かりましょう。
——で、受かるために1万時間。
1万時間やれば多分受かると思います。
——でも1万時間、勉強に費やすっていうイメージが湧かないな。
8時間以上は勉強してました。10は絶対やってたと思いますね。1日10時間は。
——毎日ですか?
そうですね。朝起きて予備校行って勉強したりとか、自分で自習室で勉強したりとか。10時間がボーダーだと思います。10時間以上できたら今日はできたなっていう感じです。
——稲浪さんはもともと大学を出て就職はしてる?
就職なんですかね。一応、税理士法人で3年ぐらい働いて、税理士法人にいたタイミングで会計士の勉強もしてたんですよね、一応。ただ、週何日勤務みたいな感じで、ちょっと調整が効く感じだったので、半分働きながら。その分、勉強に専念していれば多分もうちょっと短いかなと思います。
——そうかそうか。税理士法人で働きながら予備校に通って勉強して、公認会計士の資格取得に向けて行ってたっていうですね。
予備校代ぐらいは稼がないとと思って。
——ああ、なるほどなるほど。そうかそうか。その時もご実家から?
そうですね、その時は実家でしたね。
——では、どっちおすすめですか?大学卒業と同時に会計士の資格取る人もいるっていうことだったんですけど、一般的にはきっと働きながらだったりとかするかと思うんですけど、専念した方がいい?それとも働きながらでもいける?
まず大学生のうちに受かるのが多分一番いいんですよね。まずその前提なんですけれど、その後っていう話で言うんであれば、簿記1級取るまでは、多分会社で勤めながら勉強ができると思うんです。その後ですね、会計士として会計学以外のところも勉強しますってなったら、多分辞めて専念を1、2年した方が合格率が高まるかなと思います。
——ということはやっぱり、500、600万ぐらいの資金の余裕を持って。
そうですね、生活費ぐらいは1年間ぐらいは貯めておいた方が心理的にはいいかなと思います。それか、親のすねをかじりまくるかですね。実家か貯金かだと思います。
——そうですよね。なかなかそこを踏ん切りつけるのも結構難しい部分もありますよね。
私もあれですね、簿記1級が受かんなければ結局、それより上の会計士が受からないので、やっぱりボーダーラインというか、簿記1級受かれば次進んでもいいかなっていう目印になるかと思います。
——例えば簿記1級受けた後、税理士という税理士試験の方に行くっていうことも方向性として?
ありますし、税理士さん目指すんだったら簿記1級っていうのは順当なルートなのかなと思います。これもどっち選びますかっていうところだと思うんですよね。早めに受かりたいんであれば会計士さんなのかなと、一発合格っていう、良し悪しあると思うんですけれど。
——税理士取ってから公認会計士っていう方向はあんまりない?
あんまりないですね。ゼロからの勉強っていうんでしょうか、また最初から試験を受けないといけないんですね、そっちのルートだと。逆は手続きだけで済むので、やはり会計士を目指すのがスマートかなと思います。
——なるほど、わかりました。とにかく勉強してよってことなんですね。
勉強しましょうっていうところですね。一生勉強しましょう。
視聴者さんからの質問とまとめ
リスナーの方から
——(リスナーの方より)以前、とある事業で法人化したことがあって、その際に会計士の方に事業の融資を受けたいという相談をしたんです。すると今の政策金融公庫のいきなり課長級の方を紹介していただいたこととがありまして。普通は窓口に行って、担当者レベルと話をしていくもんだとばっかり思ってたら、いきなり上席を紹介してもらえたので、その時はすごいなと思いましたね。
確かにそういう人間関係と言いましょうか、そういうかかわりは会計士の強みかもしれないですね。
——やっぱりそういった部分でも人間関係・人脈って結構大切ですね。
大切ですね。
まとめ



今回、公認会計士についてお話を伺いましたが、すごく勉強になりました。これから公認会計士を目指す人もいるかと思うので、今回みたいに公認会計士の情報を少しでも広められたらと思います。本当にありがとうございました!



勉強は大変ですけど、合格したら人生が変わる職業です。ぜひ目指す方がいれば目指してみてほしいですね。
いえいえ、こちらこそ楽しかったです!ありがとうございました!
他の職業についてもインタビュー記事を作成しておりますので、もし気になる方は以下のページからご覧ください。
おすすめインタビュー記事は以下の通りです。


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