薬剤師は「やめとけ」は本当?本物の薬剤師さんにやりがいや仕事内容について聞いてみた【インタビュー記事】

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まずはインタビュイーのあるさん紹介です。

  • 薬剤師として働くかたわら、語学(英語とドイツ語)や資格の勉強にいそしむ努力家。
  • その自分自身の学びの過程を発信するために「あるタイムズ」というブログを執筆、発信中。
  • 薬剤師の経験を活かしながら、多方面に興味・関心を広げ、翻訳などにも挑戦したいとする新進気鋭のブロガーさん。
プロ象

本日は、薬剤師ブロガーで「あるタイムズ」を執筆しながら、AEAJアロマテラピーアドバイザーやスポーツファーマシストの資格を取得したりなど、精力的に資格取得の勉強もしていらっしゃるあるさんにお越しいただきました!よろしくお願いします!

あるさん

よろしくお願いします!すごく緊張してます(笑)

以下はインタビューの概要です。ぜひ最後までご覧ください!

  • 薬剤師は現在は6年制で、免許を取るには大学に6年通わないといけず、国家試験も難しい資格の一つ。入試科目は別として高校で理系の勉強(物理・化学・生物)をしておかないと入った後も大変。
  • 免許取得後はさまざまな働き方ができる。薬局や病院だけではなく、MR(医薬情報担当者)や製薬企業、研究職、薬の卸の企業など幅広く選ぶことができる。
  • 調剤薬局の薬剤師の仕事としては、処方箋に合わせて薬を調整したり、患者さんの他の薬との飲み合わせを見たり。時には医者とのバトルに発展することも!?
  • やりがいとしては、短い時間の中で患者さんの状況を読み取って、適切に対応できたときはすごくうれしい。逆に人と接する職業なので、人間関係でのトラブルや患者さんとのトラブルを経験することも。
  • 現在は製薬企業の品質管理の仕事についており、薬剤師の知識を起点にしながら多方面に興味・関心を広げてキャリアを築いていこうと模索中。

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目次

薬剤師の資格を取るまで

——はじめに、薬剤師を目指したきっかけを教えてください。

 薬剤師の仕事があるということを知ったのが高校1年生くらいで、友人のお母さんが薬剤師だったことから知りました。薬剤師になろう、と思って薬学部に行ったわけではなくて、高校2年でオープンキャンパスに行って、研究の発表を見て「あ、この研究面白そう」ってなって薬学部に決めたという形です。

——それまで理系の勉強はしていましたか?

 そうですね、元々理系の学部に行こうとしてて、本格的に高校2年生から薬学部行こうと勉強し始めたというところです。

——大学はどのように選びましたか?

 もちろん薬学部のある大学で、元々吹奏楽をやっていたのですが、何かしら楽器ができるところというので探しました。オープンキャンパスに行った大学には行けなかったんですが、私学の結構上のところに行けたのと、自分が興味をもった研究に似た研究ができるところだったので、選んだというのもあります。

——やっぱり理系の勉強をしていないと大学でキツイですか?

 国公立だと入試科目が決まっているので絶対勉強しないとダメですが、私立だと大学によりますが、化学がほぼ必要になってくることが多いですね。ただ、たまに推薦入試で入ってくる子がいて、文系の勉強しかしてなくて、大学入ったら物理・化学・生物全部やらされるので、キツイかもしれないです。

——大学の勉強ってきつかったですか?

 きつかったです、正直。自分の興味を持てない内容が苦痛で苦痛でしかたなくて(笑)、でもそれが好きな子もいるから、聞きまくってました。自分は化学が苦手で、命名法とかを覚えるんです。ベンゼン環のどっからOHが生えてくると何になってとか、これとこれ反応させたら何ができます、などを覚えるんですが大変でした。

——薬学部って6年間でしたよね?

 そうですね。私は6年制の3期目なんですが、3つ上までは4年制で、2つ上から6年制でした。4年で出たかったなぁって若干思ってました。

——6年勉強したあと、国家試験あるじゃないですか。国家試験どうでした?

 国家試験ゲロ吐きそうでしたよ、ツラくて(笑)大学入試センター試験(現大学入学共通テスト)なら色んな教科で2日間ですが、膨大な範囲の薬学に関する知識の問題が2日間にわたって出題されるんです。そして、私1回目は受からなかったんですよ。国試浪人(注:国家試験を再受験するための浪人)して、もう1回受けて受かりました。

——薬剤師の国家試験の合格率ってどれくらいなんですか?

 4年制の時代は絶対評価で、〇点取れば合格とかだったので割とまだ高かったみたいなんですが、今は相対評価になっていて、全体が点数よければ、高い点数とってても基準の点数も高くなるので落ちる、となっています。合格率は6~7割あたりを動いていると思います。(注:調べたところ2023年の合格率は全体で69.0%)

プロ象

やっぱり薬剤師になるのはなかなか大変なんだね…国家試験の勉強が大学入試よりも大変だと想像すると、こっちまでもらいゲ〇しそうになります(笑)

薬剤師の仕事選び

——晴れて薬剤師免許を取得して、働き始めるわけですが、初めはどこに就職したのですか?

 私の場合は、合格の確証を得られた段階でようやく就活し始めたんです。そうなると行けるのって大体調剤薬局ぐらいしかなかったんですよ。私は実習で行ってた薬局に就職しました。他の就職先としては、病院の薬剤師とか、医薬品を扱っている製薬企業に勤めている人もいましたし、あと研究職に行く人とか、医薬品を作るんではなくて「卸」もあるんですよ。卸で働いている人もいるしで結構多岐にわたりますね。

——その中で薬剤師免許が必要なのは?

 調剤薬局の薬剤師、あと病院の薬剤師って感じですかね。ドラッグストアでも薬剤師として働くんだったら当然、薬剤師の免許がいります。ちなみに、製薬会社のMR(医薬情報担当者)って方、いるじゃないですか。薬剤師免許を持っていると、MRの資格試験があるのですが、テストの数が減ります。(注:MRに必須の資格ではないが、認定という形でMR試験を課す企業が多い)

——今は「医薬分業」で病院に薬局がない病院が多いですが、病院の薬剤師って何するんですか?

 一応、薬を渡すところがあったりする施設もあるので、そういうところは調剤薬局と同じような仕事しますが、入院患者さんに調剤とかをやるために薬剤師として常駐する形になります。点滴に薬剤を入れて準備したり、抗がん剤の準備をしたり。あとは、病棟の患者さんが薬をしっかりと服用しているか指導したり薬をセットしたりもします。

薬局の薬剤師の仕事

——薬局の薬剤師が一般的な我々でいう「薬剤師さん」の仕事のイメージなのですが、薬局の薬剤師さんってどのようなことをするんですか?

 患者さんが処方箋を持ってくるじゃないですか。それを受け取って、事務さんが点数出している間に処方箋を見ながらお薬の調整をして、お薬が処方箋の処方内容であっているかを確認します。もちろん、患者さんがそれまでにもらっていたお薬と、新しく来た患者さんには最初に書いてもらう問診票と照らし合わせて、薬の飲み合わせが大丈夫かとかの確認までします。そして最後にOKです、となったら、ようやく患者さんの元にお渡しするという感じですね。

——ちなみになんですが、粉薬って最初から粉で来てるんですか?

 よく子供が飲む薬であれば、粉で存在する薬もあります。でも、大人の方、高齢者の方で粉じゃないと飲めないとなった錠剤の薬は、割ったり粉にします。割ったりつぶしたりは手作業です。機械というほどのものでもないですが、ホッチキスみたいな要領でパチンパチンと薬を割るものもあれば、真ん中に割れ目がある薬ならスプーンで割ります。そして、粉にするときは、乳鉢と乳棒を使って、ゴリゴリって。

——あれでやるんですか!?あの中国の昔の薬草をゴリゴリやるみたいに?

 そうなんです!でも硬い薬もあって、それはミキサー使ってる場合もあります。細かくした薬は、機械で袋に詰めていきます。

——なるほど、薬局の内側では日夜、そのような作業がされていたんですね!あと前から気になっていたんですが、ぶっちゃけ、病院の先生との関係性ってどうなんですか?例えば、この患者さんにはこの薬は…という時とか言わなきゃならないですよね?

 もちろん、その人の性格にもよりますね、どのような対応をするのかは。A先生だったらちょっと立てないといけないから、下手に出ていくとか、B先生だったら「〇〇ダメなんですけど、この△△ならどうですか?」って言っても聞いてくれるとか。やっぱり先生次第ですね。

——ドクターって結構プライド高くて、「自分の処方にケチつけられた」みたいになってしまわないかというのがあるのですが…

 そういう人も中にはいます。でも間違ったものを出してしまうわけにはいかないのでバトルですよね(笑)

薬剤師のやりがいや大変さについて

——薬剤師としてどんなことにやりがいを感じますか?

 実は学生の時から人と接するのが嫌だったんですよ。働き始めてから、仕事だから接しないといけないと思って頑張ってみたら、だんだん好きになりました。知らない人といきなり話すのはやっぱり緊張しますよね。でも、その短い間に患者さんの状況や要望を汲み取って対応しないといけないから、それができた時は嬉しいです。1人の患者さんに接する時間は限られていますが、その中で何かできることがあれば、それを探したり提案したりするのが楽しいです。通院してくれる患者さんとは知り合いになれることもあります。

——そういう関係性ができると良いですよね。私もコンビニでバイトした時によく来るお客さんと顔見知りになって。

 そういうこともありますよね。最近よくあるのがかかりつけ薬剤師制度です。患者さんに自分の薬剤師さんを決めてもらおうという取り組みですね。それで毎回同じ患者さんに対応することで、その人の病状や性格を把握し、安心感を与えることができるようになります。かかりつけ医と同じように、患者さんの変化に気づいたり、アドバイスしたりすることができるようになりますね。

——では逆にこういうところは本当大変だったな、大変だなーっていう部分ってありますか?

 薬局の中での人間関係は結構大変だと思います。人によってはトラブルもあったりするし。それ以外にも仕事の内容自体も大変なときもあります。重症の患者さんが続けて来たり、薬の数が多かったり、時間のかかる作業があったりすると焦ったりしますね。命に関わるような重要な薬もあるので、毎回確認をしなければならないし、医師や患者さんとのトラブルもあったりします。

——そこの対応、精神的に削られたりしますよね。

 だいぶ、削られますね(笑)どうしてもクレーマー気質の患者さんに遭遇することもあるので、人と対する仕事の大変さはそこにあると思います。

——給与面や待遇面ってどうですか?

 薬局やドラッグストアは結構高めですね。病院は普通、というか仕事に見合った給料なのかですね。人によっては病院の薬剤師は安い、と感じるかもしれません。夜勤とかもあるので。もちろん夜勤は手当あると思うんですけど、仕事に見合った金額なのかは謎です。

——おすすめできるお仕事ですか?

 働く環境や職種によっても違うと思いますが、調剤薬局で働く場合は、人と接するのが好きで、人のこと考えるのが好きな人にはやりがいのある仕事になると思います。それ以外の部分では、MRとかは営業なんで、セールストークとかも交えて話すのが得意な人だったらそういうのにやりがいを感じると思います。薬剤師っていろんな仕事が実はあるから、そういうところ幅広くできるっていうのは結構おすすめだと思いますね。

——ぶっちゃけて聞きます。もし自分のお子さんが「薬剤師になりたい」って言ってきたら「やってみな」って勧めますか?

 「あー、うん、頑張んな」って言うとおもいます(笑)

——なるほど、そこが分岐点な気がしてて、例えば「先生は自分の子供に先生を進めない」なんて話もよく聞くので(笑)

 でしょうね(笑)でも、親が薬剤師で自分も薬剤師にっていう人、結構多いですよ。

これからのキャリアの展望について

——今は調剤薬局をお辞めになって、どんなお仕事をされてるんですか?

 今は製薬企業で品質管理っていうまた別の仕事をしています。品質管理というのは、出来上がってきた薬が出荷できるレベルに達しているか、もちろんレベルに達してないとダメなんですけど、ちゃんと基準を満たしているかっていうのを試験する仕事をしています。

——その品質って言っても、我々にはピンとこないんですが、重量を測ったりとかですか?

 そういうのもありますけど、それだけじゃなくて、薬の成分や効果に関する試験もします。例えばビタミン剤を例にあげると、このビタミンがどれだけ入っているかとか、どういう反応をするかとか、そういうことを調べます。それで、薬を製造するとき申請しなければいけないんですけど、その申請書通りの基準に当てはまってるかを調べます。何パーセントから何パーセントの間にこの今回のやつは収まってるじゃあOK出荷、となります。その検査をしてるっていうのが私の仕事です。

——調剤薬局に勤めてる時と比べて、その肉体的な疲労感とか精神的な疲労感はどうですか?

 やっぱり外部の知らない人と接することはなくなるので、そういう面での緊張とかは全然なくて精神的な疲労感は少なくなりましたね。あと、薬局だったら基本立ち仕事で、今は大体が座り仕事になるんで、体力面も結構マシかなと思ってます。

——ちなみにそのお仕事は薬剤師の免許は必要はなくても行けますか?

 薬剤師の免許はなくても行けます。でも持ってるといいですね。実験になるんで、薬の知識が必要になりますし、実習とかでやってきてるんでやっぱり強みかなとは思います。

——冒頭にもお伝えした通り、AEAJのアロマテラピーアドバイザーの資格を持っているとか、あと色んな資格試験にもすごく挑戦しようという風な働きながら様々な資格取得に挑戦していらっしゃるんですけど、その理由とか原動力ってどこにあるんですか?

 まず興味を持ったこととかやってみたいと思ったことはちょっと貪欲に挑戦しようって思ってて、っていうのもこれはちょっと薬剤師とは関係ないんですけど、大学の部活動のことなんですけど、その時にどうしてもやりたかったことがあって、部活の中でそれに反対の方が多かったんですけど、押し切ってやったんですよ。でもそれやらないと私の部活終わらないからと思って押し切ってやって、まあやっぱり大変は大変でした。やっぱり反対されたのもあるし。だけどやりきった時に開放感とか爽快感がすごく大きくて、それでそのやっぱりやりたいことはやるべきだなって思って、っていうのが基本的にあるのかな。その時のことが。

——なるほど。ドイツ語検定や生活食生活アドバイザーを挑戦中で、スポーツファーマシストの資格も持ってるんですよね?

 スポーツファーマシストは、ボランティアとはちょっと違うと思うんですけど、オリンピックとかスポーツの大会とかで出場選手が例えば風邪引きました、で、この薬飲んでも大丈夫とか、ちょっと急に病気になりましたどの薬飲んだらドーピング検査に引っかからないですかっていうそういうのをあらかじめ調べてあげて、回答するみたいなのをするのが仕事です。できたらというか持ってるしやれたらいいなと思っています。生かせるかどうかは会社次第ではあるんですけど。アロマはアロマでまた別個で考えてて、ブレンドデザイナーというやつを受けようと思ってるんですね。生活とか身近なところで生かせたらいいなと思っています。

プロ象

「薬」というものを起点にしながら、いろいろな方面、スポーツファーマシストやアロマテラピーなど多方面に興味・関心を向けられるのがスゴイなぁ。キャリアを築いていく一つの方向性だなぁって感じます。

まとめ

——最後に、今薬剤師の資格を持ちながら、働いている自分に点数をつけるとしたら何点ですか?

 えー、難しいなぁ(笑)最初の薬剤師になったころのイメージとかは低かったんですけど、今は60点くらいかな。

——あとの40点の伸びしろはどこにありますか?

 もうちょっと薬剤師の資格を生かせる仕事をしたいなぁって思ってて、今働いてる会社の部署を変えてもらうとかでできるのかなぁっていうところが1つ。あと、追々辞めなければならなくなってしまって、また働くってなったとしても薬剤師の免許を持っているというのは強みなんで、調剤薬局とかならブランクあっても採ってくれるから、また現場に出たときに学びなおして患者さんと接するというところがあることを考えると、それが伸びしろなのかなって思います。

プロ象

本日は貴重なお話ありがとうございました!薬剤師と言っても、実はいろんな働き方があるということを知れましたし、我々がイメージする薬剤師さんが、裏でどんな仕事をしているのかを知ることができました!
ぜひあるさんのブログ「あるタイムズ」にも訪問してみてください!

あるさん

ありがとうございました!薬剤師って実はいろんな働き方があるので、自分にあった働き方を見つけられる職業だと思います。

ここまで読んでいただいて、ありがとうございました。もし今薬剤師の免許をお持ちで、転職を考えているのであれば「お仕事ラボ」がおすすめです。

専任のコンサルタントが面談を実施してくれて、もし希望する薬局などがあれば逆指名で条件交渉などをすることが可能です。

興味があれば、無料相談があるのでそちらを利用してみるのも手ですね。ぜひ活用してみてください。

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この記事を書いた人

・ブログ運営10か月にして2つ目のブログ
・Xでスペースをやっていた際に、このお仕事.comの構想を思いついて、3日でブログ立ち上げ(思い立ったが吉日)
・将来、このお仕事.comが進路に悩む高校生、大学生のお助けになったらイイなぁとの妄想にふける
・日々の仕事にお悩みの職業人、給料アップに向けての転職活動を開始した方向けの情報もアップしていきたいと意気込む

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